Director’s Eye

プロが考える映像作品の作り方

企画書の書き始め方

まず最初にお断りしておきますが、企画の立て方のすべてを語るなんてことはできません。ここでは、普段、私が企画書を書くに当たって用いる方法論の一端、初歩の初歩段階について、簡単に書きたいと思います。

 企画力とは?

企画力とは、面白いことを考え付く能力でしょうか?誰も見たことがない、やったことがないことを思いつく能力でしょうか?

確かに、それも大切かもしれません。

 企画とは、簡単に言うと、映像の中で紹介するものが決まっている場合、「どのように見せるか、どのように説明するか考えること」です。

つまり、発想力よりも、論理的に考え、分析することが最も重要だと、わたしは考えています。

全く新しいことを思いつくのは、至難の業です。偶然思いつくこともあるでしょう。しかし、日々の仕事にそんな偶然をあてにはできません。

5W1Hから

私は、何にも思い浮かばないときでも、とりあえず、企画書の一ページ目には、「5W1H」を書いていきます。「誰に、いつ、どこで、なぜ、何を、どのように」見せるかってことですね。

このなかで、「誰に、いつ、どこで、」は比較的簡単なんです。テレビならオンエア時間なり、視聴ターゲットはあらかじめ決まっているわけですから。

もっぱら悩んでいるのは「なにを」「どのように」ですよね。

「なぜ」というのは、要は訴求ポイントです。ここはいま一度じっくり考える必要があります。

漠然と提示されていたことを整理しながら箇条書きしていきます。

すると、いくつか訴求ポイントがある中にも、優先順位が見えてきます。その優先順位順に並べていきましょう。

このような分析、整理をしていると、「何を」「どのように」の部分が何となく見えてきます。

ここから先は、経験値や、日頃の研究が活きてくるんだと思いますが、まずは冷静に分析しながら書き始めることが大切です。