はじめに1 自己紹介
職業「ディレクター」
私の職業はディレクターです。
大学を卒業し、制作会社に就職した時の最初の肩書は当然ながら「AD(アシスタントディレクター)」でした。
2年ほどして「ディレクター」の名刺を作ってもらいましたが、まだ仕事内容はAD半分、ディレクター半分という状態。
その後、その比重を順調に「ディレクター」に傾けていき、「AD」としての仕事が完全になくなったころには、「企画・構成・演出」という肩書に変えてもらいました。
この「企画・構成・演出」の3つが当時の私が解釈する「ディレクター」の仕事であり、この解釈は現在も大きく変わってはいません。
しかし、現在の名刺には肩書をつけていません。
名刺に肩書を入れなくなったのは会社員をやめてフリーランスになったことがきっかけでした。
フリーということは、たった一人なわけで、アシスタントも何もないわけです。
社員時代の仕事
社員時代は、その会社が取引するクライアント企業や広告代理店から依頼された映像作品を作っていました。
主に次のような作品です。
企業VP
商品プロモーション
展示映像
イベント映像
TVCM
ミュージックビデオ
取引のあった企業の性質上、上4つは比較的固い内容が多く、一般の目に触れる機会もあまりありません。
例えば、「ワープロを買うとついてくる取扱説明ビデオ」なんかも含めた企業VP全般、何でも作りました。
TVCMは、当時はまだフィルム撮影が主流でしたが、私が作ったものはもっとバジェットの低い、ビデオ収録のものばかりです。本来、CMはCPプロダクションが作るもので、微妙に畑違いなんですね。
ミュージックビデオも(当時の有名ミュージシャンも含め)何本か担当しましたが、根本的に私には向かない、興味がわかない、つまらない仕事でした。この辺りに理由は後々書ければ、と思っています。
一風変わった仕事としてはプレイステーションのゲームの実写部分を担当してことがあります。アイドル系のタレントを起用したゲームでしたが、なかなか楽しい仕事でした。
また、「日本初のインターネットによるライブコンサートの中継」のオンエアディレクターをしたこともあります。本当に日本初かどうかはわかりません。また、オンエアディレクターと言っても座ってみているだけ、ほぼ、ベテランスイッチャーさんにお任せ、といった感じでした。
フリーランスの仕事
フリーになり、仕事の内容は少しづつ変わっています。
時代の流れもあり、主な仕事は、ネットで配信される映像へとシフトしてきています。
やはり企業モノが中心ですが、社内向けのものと同じぐらい、youtubeなど一般公開されるものもあります。
また、書店などで販売されるDVDの制作もやっています。ある分野に特化した制作販売会社から定期的に仕事を頂いています。
現在の仕事環境
かつて私の先輩世代の頃は、「ディレクターは鉛筆一本さえあれば独立できる」と、言われていました。
時代は変わり、今や、撮影機材も廉価になり、編集もパソコンとソフトがあればできるようになっています。
そこで、「企画・構成・演出」に加え「撮影・編集」までもがディレクターの職分とみなされる場合があります。
とても鉛筆一本では話になりません。
と言っても私は撮影機材は持っていません。撮影は外注するか、機材を借りるかしています。また、最近は付き合いのある代理店が簡単なカメラ機材を持っていて、それを使ってくれ、ということもあります。
編集は、MacProでFinalCutProを使用しています。
MacProは2008年製、3.2GQuad×2ですが、今や、化石ですね。いつまでもつか、というチキンレース真っただ中です。
Snow LeopardとEl Capitanのダブルブート対応で、それぞれにFinalCutPro6と、FinalCutProXを入れていますが、使い慣れた6を使うことがもっぱら。
特殊効果はMotion5が中心で、Adobe After Effectsを使うこともあります。
私について
さて、ここまで面白くもない自己紹介を書いてきましたが、要するに、特に変わった機材を持っているわけでもなく、特別優れた技術があるわけでもない、ただのフリーディレクターだということがお分かりいただけたと思います。
ただし、テレビの仕事をほとんどしていない、という点に関しては、フリーの映像ディレクターにしては珍しい存在かもしれません。
別にテレビの仕事を拒絶しているわけではないのですが、テレビのレギュラー仕事を始めてしまうと、他の仕事が受けづらくなってしまうんですね。レギュラー番組ではなく、単発の番組なら、何本か担当したことはあります。
レギュラー番組の仕事は収入は安定するんですけどね。
とにかく、そんな感じで、プロとして20年以上飯を食ってきたディレクターが、映像作品の作り方を考える、というブログです。
すこしずつ内容を充実させていくので、ゆっくりお付き合いください。