Director’s Eye

プロが考える映像作品の作り方

台本を書く技術 その2

企業映像などを作るとき、台本は必ずクライアントのチェックが入ります。台本のたたき台をクライアントが作ってくることもあります。

商品なり、サービスなり、その映像の中で紹介するものを一番知っているのはクライアントですから、そのチェックなくして台本を書けません。

しかし、時として、クライアントは一つの映像作品内に多くの情報を詰め込みたがります。

そこで、映像作品のコンセプト、ターゲットに合致した内容を取捨選択し、より効果的に見せる手法を提案する必要があり、それが台本の大きな役割です。

そこで、前回はまず、「易しい言葉で」「主語を明確に」と、基本中の基本を書きました。

「易しい言葉」とう意味では、クライアントが使いたがる専門用語、業界用語が視聴ターゲットに通じるかどうか、という点を考える必要があります。

一般の人には通じない専門用語でも、視聴ターゲットが社内の専門スタッフならば、それは「易しい言葉」と言えるでしょう。こういったジャッジはディレクター一人では難しくても、クライアントと協力していけば可能です。

さて、今回は、台本を書く上で注意したい、もう少し細かいポイントを挙げていきたいと思います。

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台本を書く技術 その1

通常、企画が固まり、大まかな構成ができると、台本を作ります。

台本つくりはディレクターの仕事の中でも一番大変で且つ、最もクリエイティブな作業でもあります。

何しろ、頭の中で完成形を作るのですから、極端に言えば、ここをきっちり作ってさえおけば、あとはプラン通りに作業を進めるだけとなります。

もっとも、実際の撮影や編集は、台本通りに進まないから難しくもあり、楽しくもあるのですが。

今回はそんな台本のエトセトラ。

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ルールとマナー

黒澤明監督は、背景に邪魔な建物があったら、それが一般の民家であろうと壊させた、また、雲の形が気にいらない、と撮影を何日も延期した、などの逸話が残っています。

もちろん、そんなことは我々には到底許されません。

しかし、それでも、理想の映像を撮るためには、時には何かを壊したり、壊すとまではいかなくても撤去したりすることはよくあります。

そんな時考えたい、「ルールとマナー」の話です。

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映像業界のヒエラルキー の考察

 一口に映像業界と言っても制作分野は様々で、その内容によって細かく棲み分けがなされています。しかも、単なる棲み分けではなく、目に見えないヒエラルキーも存在しています。

「映像作品の作り方」というブログのメインテーマから少し離れますが、映像作品で飯を食っていくにあたって日ごろ感じていることを含めた与太話としてお読みください。

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インタビュー

「外観と全景」のエントリーで子供の運動会を撮影する、というシチュエーションで話を進めました。運動会自体の撮影はともかく、アマチュアカメラマンの皆さんに挑戦していただきたいのが、運動会の主役であるお子様のインタビューです。

そもそも、子供の運動会やお稽古ごとの発表会を撮影するのは、子供の成長記録を残しておきたいからですよね。子供が大きくなってから一緒に見る楽しみもあります。

ならば、やっぱり、運動会に出かける前、競技を終えた後の思いや表情を残しておきたいものです。

そこで、今回はインタビュー収録の気を付けたいポイントやコツを書いてみたいと思います。

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